内装見積りソフトを選ぶときは、「何を入力する前から困っているか」で候補を絞ると比較しやすくなります。紙の寸法を打ち直す負担、複雑な見積明細、工事別の原価集計では、必要な機能が違います。
この記事では、建築・内装向けの積算ソフト、スマホ現調から見積につなぐツール、汎用帳票サービス、業務を一元管理するシステムの7製品を比較します。現調君PROの運営者が作成した記事であり、掲載順は順位ではありません。公式情報の確認日は2026年9月12日。全製品の実機比較を行った評価ではありません。
リフォーム会社のソフト選びで起きやすい3つの失敗
1. 帳票を作る速さだけで選ぶ
見積書の印刷が速くなっても、その前に写真の仕分けと寸法の転記で1時間使っていれば負担は残ります。現調開始から見積承認までの作業を分け、時間がかかる工程を先に決めてください。
2. 最安プランに必要な機能があると思い込む
顧客管理だけのプラン、見積作成を含むプラン、承認・権限を追加するプランは別の場合があります。たとえばアイピアは、公開機能表で見積作成・原価管理がベーシック以上に掲載されています。出典:アイピア 料金・プラン別標準機能
3. スマホ対応を「採寸から見積まで自動」と読む
スマホで写真を見られることと、寸法から施工数量を作れることは別です。「現場で何を入力できるか」「事務所で再入力が必要か」「変更した数量がどこまで反映されるか」をデモで確認します。
内装・リフォームの見積に使える7製品を比較
表の価格は通常料金の公開例です。税別・税込、1人・1社、買い切り・月額を区別しています。初年度キャンペーンを通常料金として扱っていません。
| 製品・主なタイプ | 得意な工程 | 公開料金・無料範囲 | 導入前の確認点 |
|---|---|---|---|
| 建築みつも郎17 PC積算型 | 階層のある積算・見積、帳票編集 | スタンドアロン本体80,000円+税。追加ライセンス等は別 | Windows環境、複数人の共有方法、現調データの入力手順 |
| 楽王シリーズ PC積算型 | 材料マスタを使う積算、見積書の取込・再利用 | サブスク月額8,800円〜・税込。契約モデル・追加費用は確認 | Crew/Linkの違い、必要な単価データ、同時利用人数 |
| 現調君PRO 現場現調型 | 対応端末でスキャンし、数量を補正して見積のたたき台を作成 | 1人月額4,200円〜+税、初期費用1人10,000円+税。1案件の見積プレビュー無料 | LiDAR対応端末、案件数・保存期間、帳票出力は有料契約後 |
| Misoca 汎用帳票型 | 入力した明細から見積・納品・請求書を作成 | 無料プランあり。見積書は無制限、請求書は月10通まで | 建築固有の数量拾い・工事別原価管理は別途運用を検討 |
| AnyONE 一元管理型 | 顧客、工事、見積、実行予算、発注・入出金を管理 | 月額・初期費用は問い合わせ | 現場アプリとPCの役割、移行対象、帳票カスタマイズ費 |
| ANDPAD 引合粗利管理 一元管理型 | 見積を起点に実行予算、受発注・請求支払を管理 | 初期・月額・オプションを個別見積 | 施工管理と引合粗利管理の契約範囲、社内の承認業務 |
| アイピア 一元管理型 | 見積、原価・発注、入金、工程等を管理 | 見積を含むベーシックは5人まで月額20,000円+税、初期費用は問い合わせ | 追加ユーザー、権限・承認のプラン、写真共有の別途契約 |
無料体験と継続無料プランも区別してください。Misocaの無料プランでは同時利用に制約があり、現調君PROの無料体験は1案件の見積プレビューまでです。会社全員が無料で使い続けられるという意味ではありません。
製品ごとの向く運用と、実際に試すこと
1. 建築みつも郎17:PCで明細を組み立てる担当者に
コベックの積算見積ソフトです。工事・部位ごとの明細を組み、顧客指定の帳票へ整える業務を中心に検討できます。スタンドアロン、サイトライセンス、LAN製品では運用が異なるため、担当者が2人になったときの共有方法も確認します。公式:サイトライセンスの説明
試すこと:過去の見積1件を読み替え、追加工事・値引き・提出用帳票の修正まで行う。現場メモから数量を入力する時間も含めて測ります。
2. 楽王:材料マスタと見積の再利用を重視する会社に
アークシステムの積算見積ソフトです。公式では、材料マスタ、仕入先見積のExcel取込、過去見積のコピー等が案内されています。LinkはCrewに見積・単価情報の共有機能を加えたモデルです。公式:楽王シリーズの機能・モデル
試すこと:自社がよく使う内装材の単価を登録し、実際の協力業者見積を取り込む。標準搭載データだけで必要な工種をカバーできるとは限らないため、マスタ整備の作業も確認します。
3. 現調君PRO:採寸・記録から見積への転記を減らしたい会社に
LiDAR搭載のiPhone Pro/iPad Proでのスキャンを使い、寸法・開口を確認、補正して見積のたたき台につなげます。自社単価マスターを編集でき、現場の数量と価格を結び付ける運用を試せます。公式:スキャンから見積へのデモ
試すこと:標準的な1室で、手計測との差、開口の補正、施工範囲の追加、自社単価でのプレビューを確認する。設備の設置判断や、クロスの柄合わせ・発注割付は別途確認が必要です。無料で1案件試す
4. Misoca:数量が決まった後の見積書を手軽に作りたい方に
弥生のクラウド見積・納品・請求書サービスです。無料プランでも見積書を作成でき、作成した書類はPDFで取得できます。工事固有の数量拾いは別の手順で行い、確定した明細を入力する運用から試せます。公式:見積書の作成方法
試すこと:「㎡・m・台・式」が混在する明細、値引き、税、見積から請求への移行を確認する。案件数が増えたときの請求書上限と、共同作業の条件も確認します。
5. AnyONE:受注後の工事とお金までつなげたい会社に
見積だけでなく、顧客・工事・実行予算・発注・入出金をまとめる製品です。現場での情報共有はスマートフォンアプリも案内されています。見積を参照して実行予算を作る手順が公式の活用支援サイトで公開されています。公式:実行予算の作成
試すこと:見積から発注、協力業者の請求、工事別利益の確認まで1件を通す。既存Excelや会計システムとの役割も決めます。
6. ANDPAD 引合粗利管理:営業から施工・経理への受け渡しを整えたい会社に
公式では、見積作成と外部ファイルの取込、実行予算、受発注、請求支払までの管理が案内されています。施工管理アプリの導入と同じ範囲と考えず、必要な業務が含まれる契約を確認します。公式:ANDPAD 引合粗利管理
試すこと:営業・現場・経理で、同じ追加工事の承認と原価変更を追う。誰がどの画面を更新するかを決めてデモに臨むと、導入後の作業量が見えます。
7. アイピア:見積・原価・発注を段階的にまとめたい会社に
見積作成・原価管理を使うならベーシック以上、権限・申告承認まで必要ならプロフェッショナルを比較します。公式には、写真・資料共有にGoogleドライブまたはGoogle Workspaceの別途契約が必要と記載されています。公式:料金と標準機能
試すこと:見積の複製、発注書作成、原価の変更、承認までの流れを確認する。月額のほか、移行・帳票作成・共有ストレージ等の費用を含めて比較します。
従業員5〜20名なら、まず1案件を2人で回す
人数だけで最適な製品は決まりません。現調担当と見積担当が分かれている会社なら、次の分担を試すと受け渡しの問題が見つかります。
- 準備:管理者が頻出工種・単価・数量ルール・提出書式を決める
- 現場:担当者が寸法・写真・品番・未確認事項を案件単位で記録する
- 事務所:見積担当が数量根拠と施工範囲を確認し、経費・例外を加える
- 承認:責任者が原価・利益・除外条件を確認し、提出版を確定する
- 施工後:実際の材料・外注費を戻し、次の単価更新に使う
試用中は、通常案件に加えて「小面積」「追加工事」「通信しにくい現場」も確認します。オフラインでできることは製品ごとに違うため、保存・再送・復帰後の重複まで確かめてください。
費用対効果は、初期費用と運用時間を含めて比較する
初年度費用=初期費用+月額×12+端末・移行・教育・オプション費用
試算として、月20件で1件30分短縮できると月10時間です。社内の時間単価を仮に3,000円と置けば月30,000円相当になります。これは人件費の現金支出がそのまま減る予測ではなく、使える時間を比較するための仮定です。短縮時間は自社の試用で測定してください。
現調君PROのスタンダードを2人で12か月使う単純計算なら、初期20,000円+4,200円×2人×12=120,800円・税別です。端末費等は含みません。案件数上限や保存期間も料金表で確認します。他製品も同じ人数・同じ期間・同じ業務範囲で見積を取ると比較しやすくなります。
機能の分類から確認したい場合は内装見積ツールのタイプ別の考え方、運用を先に整理したい場合は戻り残業を減らす現場管理も参考にしてください。
よくある質問
Q. 完全無料で使える見積ソフトはありますか?
この記事ではMisocaに継続無料プランがあります。ただし請求書枚数や同時利用等に制約があります。無料体験のみの製品とは条件を分けて比較してください。
Q. 現調アプリだけで原価管理も完結しますか?
見積時の原価計算と、受注後の発注・支払・実績原価管理は別です。必要な範囲を決めて、製品機能や他システムとの連携を確認してください。
Q. どの製品から試すのがよいですか?
数量の転記、明細作成、受注後の管理のうち、最も負担の大きい工程に合う候補を2製品ほど選び、同じ案件で比較すると判断しやすくなります。
現調君PRO を1案件、無料で試せます
内装・原状回復に特化した現調スキャン&見積もり作成ツールです。iPhoneのスキャンから、壁・床・天井・開口部の数量化、図面の補正、音声メモの見積反映、自社単価での見積書発行(PDF/Excel/CSV)までを1本の流れにしています。
- 専用機材の購入は不要。LiDAR搭載のiPhone Pro / iPad Proが1台あれば、次の現調から始められます
- 月額4,200円(1アカウント・税別)から。まずは1人から試せます
- カード登録不要・自動課金なし。1案件の見積プレビューまで無料(帳票ダウンロードはご契約後)
登録は約1分。その場でアカウントを発行します。
