原状回復の単価表は、工事項目・仕様・単位・原価・提出単価・適用条件をセットにすると使いやすくなります。「クロス一律○円」だけでは、小面積や下地補修の多い現場で利益が残るか判断できません。
この記事では、実際に公開されている価格の読み方を確認したうえで、自社の原価から提出単価を作る手順を紹介します。全国共通の「標準相場」を示すものではありません。掲載価格の確認日は2026年9月12日です。
内装工事単価表テンプレートを無料ダウンロード
材料費・ロス率・施工費・配賦経費・目標粗利率を入力すると、原単価と提出単価を計算できます。計算例1行と、自社で埋める工事項目を収録しています。
この配布Excelは登録不要です。現調君PROで作成する見積書等の帳票ダウンロードは、ご契約後の機能です。
原単価とは?提出単価とどこが違う?
「現単価とは」と検索している方が、見積ソフトの「原単価」を調べている場合、まず原価側の単価か、顧客に提示する販売側の単価かを確認してください。「原単価」に何を含めるかは、ソフトや社内ルールによって異なります。
このテンプレートでは、原単価を施工数量1単位あたりの材料費・施工費・配賦経費の合計と定義します。提出単価は、その原価を回収し、目標の利益を確保するための税別販売単価です。
| 名称 | 意味 | 例・確認先 |
|---|---|---|
| 材料の仕入単価 | 材料を購入する金額。施工費を含めない | 仕入先の見積・納品書。mと㎡の違いを確認 |
| 原単価 | 1㎡・1m・1台など、施工1単位に必要な原価 | 材料費+施工費+その項目に配賦する経費 |
| 提出単価 | 顧客に提示する1単位あたりの金額 | 原単価と目標粗利率から算定。税は別管理 |
経費を工事項目ごとに配賦するか、現場共通費として別行にするかは統一します。両方に入れると二重計上になります。経費の内訳や歩掛の考え方は、既存の自社単価の組み立て方も参照してください。
クロス・CF・水回り:2026年に確認した公開価格例
相場を見るときは、金額の横に地域・仕様・含まれる作業・最低料金・税区分を書き添えます。下表は施工会社の販売価格の例です。平均価格や協力業者の請負原価ではなく、自社の単価を考える際の比較材料です。
| 工事項目 | 公開価格・税区分 | 掲載条件・比較時の注意 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 量産クロス張替え | 1,200円/㎡・税別 | 量産品に限定。対応地域や下地状態等を確認 | アートビルサービス:料金 |
| CFシート張替え | 6,000円〜/㎡・税別 | トイレ・脱衣所等の床。小面積案件は総額も比較 | アートビルサービス:料金 |
| 住宅用CF貼替え | 2,850円/㎡・税区分は掲載ページに明記なし | 厚さ1.8mm。剥がし・廃材処分・下地パテを含む。駐車場代は条件により別途 | 内装店R-up:料金表 |
| トイレ交換の基本工事 | 40,800円/台・税込 | 商品代は別。現場条件により部材・オプションが追加 | 交換できるくん:工事費一覧 |
| 洗面台交換の基本工事 | 41,800円〜/台・税込 | 商品代は別。配管・寸法などによる追加条件を確認 | 交換できるくん:工事費一覧 |
たとえば上表のCFの2つの金額を、そのまま「相場は2,850〜6,000円」とまとめることはできません。施工範囲も税区分も同じではないためです。同じ仕様の現場を想定して見積を取り、総額と内訳を照合すると、単価差の理由を判断できます。
水回りは特に「商品+交換工事」と「交換工事のみ」を分けます。古い設備の撤去、処分、配管変更、電源工事、内装復旧がどこまで含まれるかを確認し、設備本体の値段だけで受注額を決めないようにします。
Excelで単価表を作る5つの手順
1. まずは頻出する工事と仕様を固定する
クロスなら量産品と機能性クロス、床ならCFとフロアタイルを分けます。同じCFでも「既存剥がしあり」と「上貼り」を同じ行にしません。テンプレートにはクロス・床・巾木・設備交換・養生・処分等の記入行を用意しています。
2. 材料の購入単位を、施工単位にそろえる
施工を㎡で見積もるのに、材料単価がmのままだと原価がずれます。幅0.9mの材料を仮に360円/mで仕入れる場合、面積換算は360÷0.9=400円/㎡です。これは計算例であり、実際の巾は品番ごとに確認してください。
Excelの材料費欄には、施工1単位あたり・ロス加算前に換算した金額を入れます。糊・パテ等を材料費に含める場合は、その計算根拠も手元に残します。クロス・床材の巾と数量の早見表も使えます。
3. 材料費・施工費・経費を分けて入力する
材工分離とは、材料と施工の費用を区別することです。社内の原価表では分けて持ち、提出見積では契約や顧客の指定に合わせて「材工共」または別明細にします。材工込みの外注見積を施工費へ入れた場合は、材料費を重ねて計上しないでください。
| 入力・計算項目 | 例 |
|---|---|
| 材料費(施工1㎡あたり・ロス前) | 400円 |
| 材料ロス率 | 10% |
| 施工費(1㎡あたり) | 560円 |
| 配賦経費(1㎡あたり) | 120円 |
| 原単価 | 400×1.10+560+120=1,120円 |
| 目標粗利率20%の提出単価 | 1,120÷(1−0.20)=1,400円 |
4. 粗利率と「原価への上乗せ率」を混同しない
提出単価=原単価÷(1−目標粗利率)です。原価1,120円に20%を掛け足した1,344円では、粗利率は約16.7%にとどまります。Excelは前者の式を使い、販売単価を1円単位で切り上げます。
テンプレートでいう粗利率は、入力した配賦経費を含む原価に対する管理用の率です。会社の会計上の売上総利益率と比較するときは、原価に含める費用範囲をそろえてください。
5. 適用条件・根拠・更新日まで残す
「空室・標準下地・最低数量20㎡」「家具移動別」「水栓は同位置交換」など、適用範囲を条件欄に入れます。仕入先見積の日付や番号を根拠欄に記録し、価格改定・施工実績とのずれが出たら更新します。未入力の金額は空欄のままにし、費用が発生しない項目だけ0を入れてください。
単価割れを防ぐ:提出前の6項目
- 小面積:移動や段取りに必要な固定費を、少ない㎡数で回収できるか
- 下地:通常のパテ処理と、ボード交換・大きな不陸調整を分けたか
- 数量:壁・天井・開口・ロスを別に確認し、二重加算していないか
- 現場条件:居ながら施工、階段搬入、駐車場、作業時間制限を含めたか
- 設備:本体と工事を区別し、撤去・処分・復旧の担当を決めたか
- 変更:未確認箇所と追加見積になる条件を明記したか
単価表は提出見積そのものではありません。現場ごとの追加条件を反映して初めて、受注判断に使える金額になります。確認項目は工事種別の現調チェックシートで現場に持ち出せます。
よくある質問
Q. Excelのサンプル単価をそのまま使えますか?
いいえ。サンプルは式を説明するための仮の数値です。自社の仕入価格・施工実績・経費に置き換えてください。
Q. 材工込みの協力業者見積はどう入力しますか?
材料費を0、ロス率を0とし、施工費欄へ材工合計を入れる方法があります。条件欄に「材工込み」と明記し、材料を二重に加算しないようにします。
Q. このExcelを現調君PROへそのまま取り込めますか?
この配布資料は単価を検討するためのExcelです。製品の単価マスターへ取り込む際は、製品側のCSV形式に合わせて転記・整形してください。
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